AlloyDB で無料トライアル クラスタが利用可能になりました
ウィスキー、シガー、パイプをこよなく愛する大栗です。
AlloyDB で無料トライアル クラスタが一般提供されました。AlloyDB を試しやすくなったのでレポートします。
AlloyDB とは
AlloyDB for PostgreSQL とは PostgreSQL と互換性を持つフルマネージド型のエンタープライズワークロードのためのデータベースサービスです。トランザクション ワークロードでは優れたパフォーマンスを有しており標準の PostgreSQL の 4 倍高速で、標準の PostgreSQL よりも最大 100 倍高速な分析クエリを実行できます。
詳しくは、以下のエントリをご参照ください。
AlloyDB の無料トライアル クラスタ
トライアル クラスタに関する情報
トライアル クラスタは以下のようになっています。
- 資格
- 既存および新規の Google Cloud のユーザーの両方が対象となります。新規ユーザーは 90 日間 $300 のクレジットが無料で提供されますが、それとは別に利用できます。
- 請求
- Cloud Billing を有効にする必要があります。トライアル クラスタとインスタンスリソースに料金はかかりませんが、ネットワークやバックアップなどに料金が発生します。
- 期間
- 次のいずれかが起こるまで無料トライアル クラスタで AlloyDB を試せます。
- 無料トライアル クラスタを最初に作成してから 30 日が経過した。
- 無料トライアル クラスタを削除した。
- 30 日のトライアル期間期間終了前にトライアル クラスタをアップグレードしなかった場合、インスタンスは削除されクラスタとデータは追加の 15 日間無料で維持されます。15 日間の猶予期間が終了すると、削除がリクエストされます。最終バックアップは、最大1年間または明示的に削除するまで保持されます。バックアップの保温の関する料金は適用されます。
- 次のいずれかが起こるまで無料トライアル クラスタで AlloyDB を試せます。
- SLA
- 無料トライアル クラスタには SLA は適用されません。AlloyDB のテストと実験のために設計されており、本番環境でアプリケーションを実行することは推奨されていません。
- 利用可能なリージョン
- アメリカ:アイオワ(us-central1)、モントリオール(northamerica-northeast1)
- アジア:台湾(asia-east1)、大阪(asia-northeast2)、デリー(asia-south2)、シンガポール(asia-southeast1)、メルボルン(australia-southeast2)
- ヨーロッパ:フィンランド(europe-north1)、ベルギー(europe-west1)、オランダ(europe-west4)
トライアルの内容と条件
トライアル クラスタには、以下の内容と条件が適用されます。
- プロジェクトのライフサイクルごとに 1 個の無料トライアル クラスタを作成できます。
- 30 日間の無料トライアル クラスタです。
- SLA の保証はありません。
- AlloyDB のすべての割当と制限が適用されます。
- 1 個の無料トライアル クラスタはテスト目的で最大 1TB のストレージと 8 vCPU のシングルゾーン プライマリ インスタンスが提供されます。無料トライアル クラスタを編集してストレージやコンピューティングの容量を増やすことはできません。無料トライアル クラスタのストレージとコンピューティングの容量を増やすには有料インスタンスへのアップグレードが必要です。
- 8 vCPU のコンピューティング容量の読み取りプールが最大 1 個です。
- 無料トライアル クラスタはバックアップとリストアをサポートしてません。
- リージョン間レプリケーションはサポートされていません。
- 高可用性はサポートされていません。
- 無料トライアル クラスタとインスタンス リソースは無料ですが、リージョン外への接続、パブリック インターネット経由のデータ転送、最終バックアップの取得と保存には料金がかかります。
やってみる
実際に無料トライアル クラスタを作成して試してみます。
無料トライアル クラスタの作成
Cloud Console の AlloyDB の画面を開きます。
無料クラスタを作成
をクリックします。もしもグレーアウトされ無効化している場合には、関連する API を有効化してから試してください。
クラスタを構成します。
クラスタ ID、パスワード、データベースのバージョン、リージョン、ネットワークを指定して無料クラスタを作成
をクリックします。今回は大阪(asia-northeast2) で起動します。
暫くするとクラスタとプライマリ インスタンスが起動します。
AlloyDB Studio で、データベース、ユーザー、パスワードを入力して認証する
をクリックします。
AlloyDB にログインできました。
読み取りプール インスタンスの追加
読み取りプール インスタンスを追加します。
作成したクラスタの概要で読み取りプール インスタンスを追加
をクリックします。
読み取りプール インスタンスの設定を指定して読み取りプールを作成
をクリックします。
暫くすると読み取りプール インスタンスの準備が完了します。 接続性
の欄を広げると接続先を確認できます。
無料トライアル クラスタのアップグレード
無料トライアル クラスタを有料インスタンスへのアップグレードします。
作成したクラスタの概要でUPGRADE NOW
をクリックします。
マシンタイプを選択してUPGRADE NOW
をクリックします。
アップグレードするとトライアル期間の残り日数
が表示されなくなります。これで有料インスタンスへアップグレードされました。
さいごに
AlloyDB は Google Cloud 上で Better PostgreSQL として人気がありますが、通常の PostgreSQL から移行する場合には検証が必要となります。今までは無料で試す環境がなく試すためにハードルがありました。無料トライアル クラスタによって手軽に検証できるようになりました。
これを機会に PostgreSQL を AlloyDB へ移行することを検討してはいかがでしょうか?